さよならだね。




あたしは愁くんに歩みよる。



「なんでここにいるの?いま仕事終わったって、、」


「ごめん。驚かせようと思って嘘ついた。」


愁くんはそう言って、少しいたずらっ子のような顔で笑う。



そして、


「ゆら。風呂入ったの?」


「えっ?」


愁くんに言われて気づく。

いまこのあたしの格好。




しまった〜〜〜!!


さっきお風呂入ったから、顔はどすっぴんだし、パジャマ姿だし、乾かしたばかりの髪は頭の上の方でお団子だし、、



自分の格好に恥ずかしくなったあたしは、



「ちょっ、ちょっと着替えてくる。」

慌てて家の中に戻ろうと、くるっと愁くんに背を向けた。




「だめ。」



えっ、、?


愁くんの声が頭の上から聞こえたかと思ったら、後ろから愁くんに抱きしめられていた。




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