さよならだね。




あたしたちが材料を切り終わると、もう立派な火がおこっていた。




「よし!じゃあ乾杯しよ!」


みんなにキンキンに冷えた缶ビールがまわされ、運転手の原口さんだけがノンアルコールビールを手にした。


みんなにいきわたったのを確認して、原口さんの乾杯の掛け声を合図に、みんなで乾杯してビールに口をつける。




それから男性陣がトングを持って、あたしたちが切った材料を次々に網にのせていく。


ジュージューという音とともに、食欲をそそる匂いが広がる。




「やべ〜!うまそ〜!」


原口さんは自分で焼きながら、待ちきれなさそうに声を上げる。


「この辺もう焼けるよ〜!」


橋本さんは焼けたお肉をみんなの皿にのせていく。



愁くんは煙たそうにしながら、とうもろこしをコロコロと転がしていた。


その姿がなんだかかわいく見えた。





、、って、あたし今日なんか愁くんばっかり目で追ってる?


無意識のうちに愁くんばかり見て、その愁くんの姿に一人でふふって笑って、


なんかストーカーみたいじゃない?あたし。




やばいよ〜!


あたしは、自分に気をつけるように言い聞かせる。




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