さよならだね。




だんだん薄暗くなってきた空の下、あたしたちはお酒と食事も進み、楽しい時間を過ごしていた。




「しめは焼きおにぎりだ〜!」


って言って、原口さんははりきっておにぎりを焼いている。


「え〜!もうお腹いっぱいですよ〜!」


酔ったサキちゃんの猫なで声が響く。



そこに、橋本さんの大きな声が響いた。

「あ!もうビールないじゃん!」


「え!もう無くなった?」

焦る原口さんに、


「まだもうちょっと飲みたかった〜!」

全然飲み足りてないクール姉さん優華。




そんな中、愁くんがおもむろに立ち上がって、


「俺買ってくるわ。近くにコンビニあったろ?」


「ああ。じゃあ俺も行くわ。」


原口さんがそう言うと、


「え〜?焼きおにぎりはどうするんですか〜?」


サキちゃんの指摘が飛ぶ。





それを聞いた愁くんが、


「海斗は残れよ。ゆら!一緒行くぞ!」


「え?あたし?」


突然の名指しに驚くあたし。



すると横から、ニヤニヤした顔の優華に


「行ってらっしゃい!」


そう言われて背中を押された。




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