さよならだね。




みんなによろしくね〜と見送られ、愁くんと歩いてコンビニに向かう。


その道の途中で、いきなり愁くんが立ち止まる。




「ん?愁くん?」


あたしも立ち止まり振り返る。

愁くんはしばらく無言のまま。


「どうしたの?」


あたしは心配で、愁くんの顔がよく見えるくらいに歩みよる。

辺りはすっかり暗くなっていた。






「俺のこと避けてる?」


「えっ?」


突然の愁くんの言葉にびっくりしてしまった。




バ、バレてる!!


今日、愁くんばかり目で追ってしまっている自分に気づいて、なんだか恥ずかしくなったあたしは、なるべく愁くんを見ないように、愁くんに近づかないように、って愁くんのことを避けていた。



だって、顔が赤くなりそうで、頬がゆるんじゃいそうで、恥ずかしかったんだもん。




「そっ、そんなことないよ?」


あたしは慌てて否定する。

本当のことなんて、もちろん恥ずかしくて言えない。



「嘘だ。絶対避けてる。俺、何かした?」


愁くんの真っ直ぐな目にとらえられ、どうにもこうにも逃げられない。




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