さよならだね。




すると、愁くんがこれでもかってくらい、抱きしめる腕に力を入れる。




「愁くん?痛いよ。」


「ごめん。でもちょっと我慢して。」



しばらくして、愁くんがゆっくりとあたしを離す。




そして、あたしの頬に手を当てる。



すごく優しい顔で微笑んで、


「俺も好きだよ。」



とびきり優しい声でそう言うと、ゆっくりと愁くんの顔が近づいてきて、、




そっと、

あたしの唇にキスを落とした。





唇が離れると、あたしは慌てて下を向く。



「ゆら?なんでうつむくの?」


「だって、だって絶対いま顔赤いもん。」



こんな顔、恥ずかしくて見せれないよ〜。




いつまでも顔を上げないあたしを見て、愁くんはふっと笑った。


そしてあたしの頬を両手で包み、そっと上を向かせる。




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