【完】いいかげん俺を好きになれよ
…伝わったかな……?
アユは少し驚いたように目を丸くする。
あたしもちょっと照れ臭くて、なんとなく下を向いちゃったけど…。
たぶん、こんなふうに真面目にお礼言ったのなんてすごく久しぶりだ。
だからなんとも言えない恥ずかしい空気が流れてる。
するとアユはいきなり、あたしの片腕を掴んだ。
そしてグイッと自分のほうへ引き寄せる。
…わっ…!
回転イスごと体が移動して、いきなりアユの顔が目の前に来て
不覚にもドキッ、なんてしたのもつかの間……
次の瞬間…
唇がそっと
温かいもので塞がれた。