【完】いいかげん俺を好きになれよ
翌日、あたしは決心して学校に向かった。
アユにちゃんと謝ろうって。
あたしが落ち込んでる場合じゃない。
アユのほうがもっと傷付いてるんだから。
いつもより早く教室に着いて、アユが来るのをじっと待つ。
今日は数学の宿題だってちゃんと自分でやった。
いつもはアユに頼ってばっかだけど。
しばらく自分の席でスマホをいじっていたら、教室の前のドアからアユが入ってくるのが見えた。
…あっ、
朝が弱くて早起き苦手なアユは、いつも通りけっこうギリギリの時間。
相変わらずの目つきの悪さと姿勢の良さ、そしてスタイルの良さは一瞬で彼だと分かる。
あたしは勇気を出していつものように駆け寄った。
「……アユっ、おはよう!」