【完】いいかげん俺を好きになれよ
ため息をつきながら教室のドアをくぐり抜けて、トボトボと下駄箱へ向かう。
放課後のみんなの笑い声が賑やかに廊下に響き渡って。
なんだか自分だけとても寂しく感じた。
一緒に帰ろうって言えなかったなぁ……
下駄箱から靴を取り出して上履きから履き替える。
すると後ろからまた声がした。
「歩斗くん日誌付き合ってくれてありがとー♡」
「いや、別に俺も日直だし」
笠原さんとアユだ…。
あたしは慌てて上履きをしまった。
なに、逃げてるみたいに……