【完】いいかげん俺を好きになれよ

アユはそのままあたしから手を離すと、いつのまにかポケットにしまっていたらしいマスコットを取り出した。


そして、ぶらーんと目の前にぶら下げて、



「つうかコレ…お前が作ったの?」



あたしを見下ろすアユの目と、ウサギの目がなんだかそっくりで、思わず笑みがこぼれそうになる。



「そうだよ。昨日作ったの」


「ふーん…。

ずいぶん目つき悪いウサギだな」


「うん。だってモデルの人が目つき悪いからね」


「…はぁ?モデルって俺かよ」


「あははっ、わかってるんじゃん(笑)」



するとベシッと頭叩かれて。



「うるせぇよ…」



だけどそう呟くアユの顔はちょっと嬉しそうだ。


いつのまにか普段のノリに戻ってるし…。


あたしもこうやってまた、アユと普通に笑えることがすごく嬉しい。



よかった…仲直りできて。


やっぱりアユとはこうでなくちゃ…。


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