【完】いいかげん俺を好きになれよ
なんだかそこまで言われたらちょっと、アユのことを好きになってもいいのかなって
好きになってみようかなって気さえしてくる…。
いつも素直じゃなくて意地っ張りだった彼が
こんなにハッキリと好意を示してくれるなんて思ってもみなくて……
そしてそれがこんなに嬉しいなんて
思ってもみなかった…。
どうしよう…なんか…
ドキドキする…。
あたしが返す言葉に詰まっていると、アユはどこからか何やら冊子みたいなものを取り出した。
「…つうわけでコレ……」
それはたぶん、地域の情報誌のようなもの。
「えっ、これ?」
なんだろう急に…
と思ったら、裏表紙をアユが指差して。
「…赤点まぬがれたら付き合えよ。っつーか、
一緒に行きたいんだけど…二人で」