【完】いいかげん俺を好きになれよ
家の門の前まで来ると、インターホンを押して応答を待った。
玄関のドアから出てくる元気があるかはわからないけど、確かアユの部屋にはモニターの子機があったはず…。
ーーピーンポーン…
一回目で出なかったので二回目を押したらやっと出てくれた。
すると、低い声でボソッと…
「……はい…」
…っ、うわぁ……
やっぱり心配していたとおり、その声は相当しんどそうな声で。
「あ、美優です。熱大丈夫?
あの一応お見舞いに……
鍵あいてるかな?」
あたしはもう開いてたら勝手に入っちゃおうと思ってたんだけど、アユはそれを聞くと数秒沈黙した…
かと思ったらモニターがいきなり切れた。
…あれっ?
切れた…。
心配になって門を開けて玄関のドアの前まで行く。
どうしよ、やっぱ余計なお世話だったかな…?
すると中からガチャッと鍵を開ける音がした。
「………美優?」