【完】いいかげん俺を好きになれよ
なぜか手を貸せと言われてしまった。
あたしは言われるがまま、手を差し出す。
そしたらその手をぎゅっと握られた。
……わっ//
「……冷たくて…気持ちい…」
そう言いながらあたしの手を、自分の頰に当てるアユ。
…ひゃ〜っ!な、なにして……
「あ…アユが熱いんだよ//」
あたしが照れながらそう答えたら、ふふっと笑われた。
…目が合って。
熱のせいか潤んだような瞳で見つめられるとドキッとする。
弱ってるアユはなんだかいつもと違う感じがするし…
変な感じ…恥ずかしい…//
するとアユはゆっくりと体をあたしの方に向けた。
そして視線を握った手の方にうつして
「……でもまぁ、ありがとな」
掠れた声でつぶやく。
「嬉しかった…お前が来てくれて…」