【完】いいかげん俺を好きになれよ
……どきん。
なんだかいつもより妙に素直な気がするのは、
それも熱のせいかな…?
握られた手から伝染するかのようにアユの体温が伝わってきて、熱い。
胸の奥まで熱くなっていくような気がする…。
「ううん…別に帰り道だし…。
倒れてなくてよかった…」
一瞬でも自分のテストが心配で行こうか迷ったなんて、とても言えなかった。
ただのお見舞いでこんなに喜んでもらえるなんて……
アユの手の感触が、素直な言動が、
またわけもなくあたしをドキドキさせる。
いつからこんなふうになったのかな…?
やっぱりなんか…意識せずにはいられないよ…。