【完】いいかげん俺を好きになれよ
◇絶対手離すなよ
数日後……
テストは無事終わって夏休み目前。
「よぉ〜、お前らさっそく夏休み気分みたいだけど気緩んでる場合じゃねぇぞ。
今日はお待ちかねのテストを返す」
「「えぇ〜〜〜っ!?」」
1限目から数学、そして山田Tの脅しの入ったような口調に朝からクラス全体がどよめいた。
「この結果をしっかりと受け止めて、夏休みは復習に励むように!!
なぁ?石田」
…ひぃぃぃっ!!?
なんだか目をつけられちゃってるあたしは後ろの席だっていうのに山田Tにまたしても名指しで呼ばれ…
同時に嫌な予感がして身震いした。
も…もしかして数学…ダメだった??
またしても赤点?
いやいや、でも今回は頑張ったもん!!
大丈夫だよね…?
ドキドキしながら机の上で両手を合わせる。
すると、あ行のあたしはすぐに名前を呼ばれた。
「次、石田!」
「はいぃっ!!」