【完】いいかげん俺を好きになれよ
そしておそるおそる教卓の前へ…。
ドキドキドキドキ……
山田Tはあたしを見るなり、不敵な笑みを浮かべる。
怖い…。
「…石田、お前どうした?」
「へっ?」
「俺はなぁ、実に驚いた」
……え、一体何のこと…?
あたしがきょとんとしていると、山田Tはニヤッと笑ってあたしの頭に手を乗せた。
「お前やればできるじゃねーかぁ!!!!」
「わぁぁっ!!」
そのままわしゃわしゃと髪を掻き乱される。
だけどその瞬間ものすごくホッとして。
これは…
つまり赤点取らなかったってことだよね?
このリアクションは!
「えっ、先生もしや…」
「その通りだ。見ろ!」
ピラッとひるがえされたその紙の裏には、信じられないような数字が書いてあった。
……ご、56点…!?
ウッソ…!!!!
今まで最高34点のあたしが…
56点!?
これは夢…!!?