【完】いいかげん俺を好きになれよ

だけどそんな姉弟ケンカしてる場合じゃなかった!


気づいたら遅刻ギリギリ。


慌てて玄関を飛び出す。



「それじゃ行ってきます!!」


「俺も〜行ってくるわ〜」


「ゲッ、なんで啓太も!?」



しかもなぜか啓太と一緒に家を出ることになってしまった。


生意気にも彼女がいるこいつ。


5時に待ち合わせだっていうからさぁ…


って、あたしと一緒じゃん!!



慣れない草履でトボトボと駅まで歩く。


幸い花火大会はうちの最寄駅近くの河川敷で行われるので、電車で移動しなくていいだけラッキーだった。


その横を少し早足で歩く啓太。



「ねぇ、なんであんた先行かないの?

彼女待ってるよ?」


「えーだって姉ちゃんの男どんなのか見てみたいなと思って」



…はいっ!?


そんなに気になるとは思わなかった。


あたしに似てミーハー気質なのかしら、こいつ。


まぁいいや、アユは彼氏じゃないけどイケメンだし見てビックリするがいい

…なんて(笑)


でもこれでもう、バカにできないでしょ。


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