【完】いいかげん俺を好きになれよ
「わぁっ、なんか隠れ家みたいでいいね〜!
誰もいないし」
「だろ」
「でもよくこんなとこ知ってたね?」
「……」
あたしがそうたずねると一瞬黙って目をそらすアユ。
「たまたまだろ…」
…とか言って…実は…
「もしかして、昔元カノと来たことあったりして…(笑)」
あ、言っちゃった。
「…はァ!?
そんなん覚えてねーよ。
くだらねぇこと聞くなよ」
…焦ってる。
図星かなぁ…。
「ふふ、あやし〜い!…まぁいいけど。
いい場所教えてくれてありがとう」
「……」
そしたらアユは何を思ったのかいきなりぎゅっと手を握ってきた。
ドキッとして顔を見上げる。
「でも今はお前と来てんだろ」
「…え?うん…」
「今は俺、お前のことしか考えてねぇから」