【完】いいかげん俺を好きになれよ
そうたずねる顔はなんだか悲しそうで…
まさかアユがそんなこと聞くなんて思わなかった。
「う…うん!すごく楽しかったよ!
…誘ってくれてよかった。ありがとう」
あたしは慌てて笑顔で答える。
するとグイッと手を引っ張られて……
わっ…、
気がついたら、アユの腕の中にいた。
アユはそのままあたしをぎゅうっと抱きしめる。
「美優…あのさ……」
……ドキン。
そのあと何を言われるかはなんとなく想像がついた。
だけど……
だから……
あたしはそれ以上聞くことができなかった。
アユの胸をグッと押して突き放す。
「ご…ごめん……!」
「えっ…?」
そして次の瞬間、思わず口にしてしまう。
「ごめんね…やっぱりあたし……
アユとは付き合えない…」