【完】いいかげん俺を好きになれよ
◇じゃあなんで泣いてんの?
まだあたしが恋愛とかそういうものに疎かった頃…
従姉妹の真由香はすでに男子の話や恋バナをよくしていた。
「…でね、二組の久保くんがなかなかイケメンでさぁ、委員会が一緒で…」
「へぇ〜〜…」
「てか、メグなんてもう彼氏と色々済ませてるらしいの!
この前ついに年上の彼と…」
「…ひゃ〜っ、そんなことするの…!?
信じられない…」
まだ好きな人すらいなかったあたしには新鮮で、興味深くて。
同い年なのにずいぶんと大人に感じられたものだ。
真由香は流行とかに乗るのも早かったし。
ファッションやメイクに目覚めるのも早かった。
「美優はまだ好きな人いないの?」
「い、いないよ〜!!
うちのクラスの男子とかみんなサルみたいだし!」
「えぇ〜、一人くらいカッコイイ人いるでしょ。
あたしね、実は今回バスケ部の王子と席隣になっちゃってさぁ〜♡」
「バスケ部の王子…?
あぁ、前話してたモテる人??
ワタルくんだっけ?」
「…違う!渡瀬くんだよ!!」