【完】いいかげん俺を好きになれよ
そこでたびたび話題に登場していた彼……
そう…。
これがのちに真由香と付き合うことになる、そしてあたしと知り合うことになる、
アユ…こと渡瀬歩斗だった。
あたしは名前すらよく覚えてなかったけど。
「渡瀬くんチョーカッコイイの!!
チョー顔きれい!背も高い!バスケ上手い!」
「へぇ〜、そりゃモテるだろうね〜。いいなぁ〜」
「でも超クールなの〜。
あんまり喋ってくれない〜…」
「クール?え〜それシャイなだけなんじゃない??
真由香可愛いんだから話しかけたら絶対喜んでくれると思うよ〜」
「そうかな〜?
…でも頑張ってみる。
この前消しゴム拾ってくれたし、優しい人だとは思うんだ♡」
「へぇ〜、頑張れ〜!」
あたしはそんな恋する真由香の相談に乗り、いつも応援してた。
真由香の恋バナ聞くのは楽しかったし。
羨ましいと思うこともあったけど、ただ純粋にうまくいって欲しいと思ってた。
聞いてて自分までドキドキしたり、ワクワクして。
世界が広がっていく感じ。