【完】いいかげん俺を好きになれよ
絵里にそう言われて、何かずっと閉じ込めていたものが溢れ出してきたような気がした。
そうだ…
その通り……。
ずっと気づかないふりしてたけど
あたしはきっといつからか、
アユのこと
好きだったんだ……。
好きなんだ……。
それをどうしても確信するのがこわくて。
これが友情なのか、恋愛感情なのかどうかもよくわからなくて。
…だけどやっぱりそうなんだ。
アユのことを振り払ってから、ずっと辛かった。
いつも当たり前のように一緒にいて、
当たり前のように笑い合って、
それがなくなってしまうことがこんなに辛いなんて。
近すぎて見えなかった。
気づかなかったけど…
たぶんこんなふうに涙が出るのも
臆病になってしまうのも
アユのことが好きだから……。