【完】いいかげん俺を好きになれよ
……あれ??
だけどよくよくそのサッカー部員の顔を見てみると、見覚えがある…どころじゃない。
声だって聞いたことあるし。
だって…
「あはは!誰かと思ったら。
なんか久しぶりだね」
そのさわやかな笑顔と日焼けした肌、甘いボイスは忘れるわけない。
いつかのあたしの王子様……
「み、宮園先輩っ!?」
思わず声をあげる。
しかも先輩ったら久しぶりとか言ってあたしのこと覚えてくれてるし。
ろくに喋ったこともないのに。
「夏休みも学校来てるんだ?
部活?」
「あ、ハイッ!
手芸部のミーティングで…」
「へぇーっ、手芸部なんだ?
お疲れさま」
ひゃーっ、お疲れとか言われちゃったよ。
「せ…先輩こそ暑い中お疲れ様です!
練習頑張ってください!!」
「あぁ、サンキュー!
それじゃまたね、石田」
……ドキ。