【完】いいかげん俺を好きになれよ
……ドキッ。
急に心臓が思いきり跳びはねる。
…あれ?今……
アッくんって…
しかもこの声は……真由香…?
おそるおそる振り返ってみると、そこには例の団体客が。
よく見るとみんな高校生くらいの集団だった。
ワイワイガヤガヤなんかの打ち上げみたいに。
なんだろう……
……って、えっ!?
だけどあたしがそこで目にしたのは、今いちばん心臓に悪い光景で。
ウソ……
みんなで輪になって話してる中で、隣り合わせに座ってる真由香とアユ。
なにこれ……
なんでここにいるの……?
それは並んでるだけで絵になるような二人だった。
アユもなんか楽しそうだし……
あたしは途端に胸の奥がギュッと痛くなる。
周りはそんな二人を口々に冷やかして。
「なんだよお前ら仲いいじゃん。ヨリ戻せば〜?」
「ホントホント!やっぱりお似合いだよ〜」
公認のカップルみたいな扱い。