【完】いいかげん俺を好きになれよ

賑やかな声が去ったあとは、とたんに店が静まり返った。


あたしはホッとすると同時に、さっきのを思い出す。



真由香と楽しそうに笑ってるアユを見たら、まるであたしのことなんてもう忘れられてるみたいに思えてしまった。


自分でアユのこと振ったくせに。


勝手だよね…ホント…。



今さらながら真由香に嫉妬なんてしてる自分がすごくバカみたいで。


逃げてるだけなのに。


何もできないのに。


勝手に自信無くして卑屈になって…



部長はそんなあたしにそれ以上突っ込まず、得意のうんちくを延々と披露してくれた。


なんだかんだジュース3杯分は話してたと思う。


窓の外はもうだいぶ暗くなっていて、あっという間に夜。


アユ達は今頃、カラオケでも楽しんでいるんだろうなぁ……


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