【完】いいかげん俺を好きになれよ
真由香はしっかりアユの服を掴んで、何か言っている。
まるで本当にさっき話してた、ヨリを戻す話でもしているのかと思うくらい。
…もしかしてほんとに?
ウソでしょ…??
あたしはその場に立ち尽くして、足が動かなくなる。
だけどこれは夢ではなく現実だった。
とらわれたように二人を見つめる。
目がはなせなくて…
するとアユの視線がふと、こちらに向いた。
バチッと目が合う。
「…あ」
「えっ…」
その瞬間すぐに真由香から体を離した。
「…っ美優!?」
慌ててこちらに駆け寄ってくるアユ。
だけどあたしはもう頭が真っ白で、ショックでたまらなくて。
思わず背を向けて逃げてしまった。
「おい美優!待てよ!!
ちげぇから!!」