【完】いいかげん俺を好きになれよ

言った瞬間めちゃくちゃドキドキした。


とても勇気がいった。


でもあらためてハッキリと自分の気持ちを自覚した。



やっぱりあたしはアユが好きなんだって。


だからまだ本当は諦めたくないって…。



真由香は震えながら口にしたあたしを、まっすぐ見つめて微笑んでくれた。



「うん…。そうだよね。

わかってるよ。

あたしのせいで色々ごめんね」


「ううん！なんで謝るの？そんなことない…。

あたしこそごめん、なんか色々勘違いして…」


「大丈夫。美優の気持ちもわかるよ。

あれだけあたしのノロケを聞いてたら戸惑うはずだって。

それに美優は優しいからどこかあたしに遠慮する気持ちもあったんでしょ？」



ドキッ…。



確かにそういう気持ちもあった。少し…。


友達の元カレみたいなものだし。


でもすごい。

全部真由香は分かってくれてたんだ…。



「でもそういうのはダメだよ。

もしあたしがアッくんに未練があっても、アッくんを好きならちゃんと付き合って。

あたしのせいで両思いの二人が付き合えないなんてそれこそあたし辛いよ。

二人には幸せになってほしいな。

どちらもあたしにとっては大切な人だから」