【完】いいかげん俺を好きになれよ
慌てて気づかれないように背を向ける。
だけど二人はすぐそこまで来ていて…
逃げ出そうとしたその時、
「えっ…?」
後ろからアユの声がした。
「……美優?
美優だろ…?」
…ひぃぃっ!
気付かれた!!
「おい待てッ!!」
呼び止められるのと同時に走り出す。
だけど足の速いアユに、ヒールのあたしは一瞬で見事に捕まってしまった。
「わっ!」
腕をグイッとつかんで引き寄せられる。
「…っ、今度こそは逃がさねぇから!」
「ちょっ…ちょっとまって、あの…!」
「待たない」
……ドキッ。