【完】いいかげん俺を好きになれよ
あたしは隣に座るアユに目をやる。
「やっぱダントツでイケメンじゃん。
さぞモテたでしょうね〜お兄さん」
「…別に。
そんなモテてねーよ」
とか言って、それが謙遜でしかないことはちゃんとわかってる。
だって真由香に聞いてたからね。
バスケ部の王子とか言われてたらしいし。
だけどその彼がさらに成長して、今ではもっと大人っぽくなっているわけで。
隣に座るワイシャツにネクタイ姿のアユは、写真の中よりさらにカッコよくなっていた。
イケメン度がアップしてるよね、絶対…。
「うーん…。
でもやっぱりアユには学ランより今のブレザーのが似合うね」