【完】いいかげん俺を好きになれよ
売り言葉に買い言葉で、収拾がつかなくなってしまった。
あたしは内心モヤモヤしながらも、今さらごめんなんて言えない。
「数学どうもありがとうございましたっ!!」
うっわー自分可愛くない…と思いながらも教科書をバタッと閉じて、勢いよく立ちあがった。
アユは目を合わせもしない。
完全に呆れてる。怒ってる。
だからあたしもそのまま背を向けて、自分の席に戻った。
あーやだなぁもう…
くだらないことでケンカしちゃったよ。
でもアユだって悪いもん、今井先輩のこと悪く言うから。
このまま仲直りできなかったら嫌だけど、何言われてもデートはするもんね。
あたしはものすごい後味の悪さを感じながらも、頭の中はやっぱり今井先輩のことでいっぱいだった。
週末は待ちに待った映画デート。
みんながやめとけっていうけど、
きっと大丈夫。
絶対楽しい一日にしてみせるんだから…!