【完】いいかげん俺を好きになれよ
その声は聞いてるこちらがビックリするくらい慌てていて、いつものアユからは想像がつかないものだった。
しかもあたしは状況がよくつかめない。
何でアユが…?
絵里と一緒にいたのかな…?
それにしても、すごく焦ってる…
「え…アユ……
なんでそこにいるの…?」
あたしは不思議に思って聞いてみる。
『うるせぇ!!今それどころじゃねーだろ!!
質問に答えろ!どこにいんだよ!?』
…えっ?なんかめちゃくちゃ怒ってるし…
「あ…公園に……
駅の近くの…
なんとか台公園…」
『わかった。
いいか?そこ動くなよ!
じっとしてろ!!』
ーープッ、
ツーツーツー……
そしてそのまま電話は切れてしまった。
…あれ?
あたし絵里に電話したはずなんだけど…。
びっくりした…アユが…
もしかしてアユ
来てくれるのかな……?
あんな必死なアユの声、初めて聞いた…。