【完】いいかげん俺を好きになれよ
◆別にお前のためじゃねぇし
しばらくあたしは公園のベンチに座って、アユに言われたとおりじっと待っていた。
日も暮れはじめてあまり人がいない。
ぼーっとしてたら今日のこと色々思い出して…
あーあ…最初は楽しかったんだけどなぁ…
せめて先輩の部屋に行かなければ…
ううん、最初からそのつもりだったのかも。
どっちにしろもう、先輩とは顔を合わせたくない。
だんだんとまた悲しくなってきて、下を向いて砂を蹴る。
まだファーストキス奪われなかっただけよかった、なんて
前向きに考えようにも心がついていかない。
優しかった先輩。
憧れてた先輩。
こんなことになるなら憧れのままでいればよかったな…。