【完】いいかげん俺を好きになれよ
するとアユはそんなあたしを受け止めて、ぎゅっと強く抱きしめてくれた。
あたしも彼の背中にしっかりと手を回す。
アユの背中は思ったよりも広くて、細いわりにはしっかりしてて、
その感触に改めてあたしはアユが男だってことを意識した。
だけどドキドキするというよりは、安心する。
ほんのりと、アユの匂いがして…
それが妙に落ち着いて居心地がよかった。
不思議……
アユはまだ少し息を切らしながらつぶやく。
「……アホ…
だから言ったじゃねーかよ…」
本当にそのとおりで、返す言葉がない。
「…っぐ、ごめんなさい…」