【完】いいかげん俺を好きになれよ
そう言って顔を上げる。
あたしも同時にアユを見上げる。
「あの…無事って…」
「…っだから…
淳先輩と…ヤってないよな?まさか…」
…ヤっ…た!?///
そう聞かれてビックリした。
アユにこんな話されるなんて思ってもみなくて…なんだか恥ずかしい。
でも…
誤解はといておかなくちゃ…
「しっ、してないよ…!!
危なかったけど…逃げたもん。
き…キスだって…全力で拒否したから!!」
ドヤ顔でそう言うと、なぜかアユは力が抜けたみたいにふにゃっとなって、ため息をついた。
そしてあたしの肩にもたれかかって
「………よかった…」
あまりにもホッとしたように言うもんだから、なんだかおかしかった。
まるで保護者のように心配してくれてる…。
アユってそんなキャラだったっけ…?
だけどホッとしたのもつかの間…
今度は顔を上げたとたん、アユは何かを目にして急に固まった。
「…おい、お前それ……」
言いながらあたしの首元を指差す。
「これ…なんだよ…
淳先輩につけられたのかよ?」
……えっ??