【完】いいかげん俺を好きになれよ

らしくない彼の行動に、信じがたい状況に、

心臓がうるさいくらいドキドキして、胸がしめつけられるような思いがした。


アユはそうやって言うけど、今目の前のこの状況を見て、関係ないなんてとても思えなくて…



仲よかった先輩を殴ったアユは今どんな気持ちでいるんだろうとか、

そもそもなんでそんなことするんだろうとか…

考えれば考えるほどなんだか罪悪感のような気持ちに襲われて苦しい。



もしかして…あたしのため…?



うぬぼれみたいだけどそんなふうに思っちゃうよ…



「…ってぇ〜…なにすんだよ…」



すると今井先輩が血の滲んだ口元を手で拭いながら、ヨロヨロと立ち上がった。


そしてこちらをじっと見つめて…



「…ははっ、そーいうことか…(笑)

なるほどね〜。

でもさぁ、だからって先輩殴っていいことにはならねぇよなぁ…?」

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