病院嫌い

『彩夏…………彩夏、起きて。 もう放課後だよ。』



『………ん』
放課後!!  
私、そんなに寝ていたんだ。



『彩夏、大丈夫? 具合悪そうだけど』


その通りなんだけど、ばれたら病院に行けと言われるからごまかしておこう。


『大丈夫だよ。 昨日の夜古典の勉強していたから眠くなっただけ』


『そっか やっぱり優等生は違うね。 私なんか全然勉強していないから』




『優等生じゃないから』



『彩夏の嘘つき。 入学後のテスト学年で一番だったくせに。 勉強教えてよ』


『わかった。 じゃあテスト前にね』



『ありがとー 彩夏。』
そんな話をしながら校門を出た。




よかった。 とりあえずごまかせたみたい。




< 11 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop