病院嫌い
『彩夏、もしかして食欲ない?』
いつもと同じ優しい口調で聞いてきた。
『……うん』
『そうか。 でも、ちゃんと食べないと体力がもたないから少し頑張ろうよ』
春樹はそう言ってスプーンにご飯をのせて私の口に近づけてくる。
『彩夏、口をあけて』
恥ずかしい………。
『彩夏、早くあけて』
仕方なく口をあけた。
そしたら温かいご飯が口の中に入ってきた。
『えらいぞ』
ーチュ
『もう、春樹いきなりはやめてって言ったじゃん。』
『彩夏が可愛いから我慢できなくなった。
大好きだぞ。』
そう言って春樹は抱いてくれた。
私は、春樹の膝の上でご飯を食べた。
やっぱり春樹といっしょにいるときが一番幸せ。
心の中で「春樹、大好きだよ」と言った。