病院嫌い
『もう、俺待てないから』
昌也はそう言って点滴の用意をする。
嫌だ。
カッコ悪いけど医者になってもこれだけは嫌いだ。
泣きたいけど彩夏ちゃんがここにいるし。
そう思っていると彩夏ちゃんが
『春樹先生、頑張って。 泣いても大丈夫だよ。
私なんていつも大泣きだから。
私が春樹先生の手を握っているから頑張って。』
そう言って彩夏ちゃんは俺の手を握っていてくれた。
『彩夏ちゃん、ありがとう』
やっぱり、俺ってすごくカッコ悪い…………
『じゃあ打つよ。』
俺は目をギュットつぶった。
痛い。 これ、痛すぎる。
涙が出てくる。
『はい、終わったからしばらく安静にしていてね。』
そう言って昌也は出ていってしまった。