病院嫌い
春樹 side
『おはようございます』
俺は先輩の医者にあいさつをする。
『おはよう。 春樹に少し話があるからちょっと来て。』
『はい』
俺がそう言うと先輩はカルテを渡してきた。
佐藤 彩夏ちゃん?
『次から春樹がその子の担当だから。
結構大変だけどよろしく。』
『大変?』
『そうなんだよ。 その子、いつも病院から逃げ出すんだよ。 こないだも入院中にいなくなったし。』
『なぜ、抜け出すんですか』
『それがよくわからないんだよ。 たいていは入院初日でいなくなるから。』
先輩は「はぁー」とため息をつきながら言う。
『そうなんですか。』