夏恋~ひまわりと太陽~
「も、もう、帰るぞ!」
照れながらそう言った蓮にまたキューン。
こんな顔で帰ったら、また愛美さんに怪しまれるかな。
「葵ちゃん!何かあった~?」
……やっぱり。
「な、何にもない!!けど………」
「けど?」
愛美さんは小さな子供の話を聞いているかのように優しい顔であたしを見た。
「片想いには片想いなりの特権?があるのかもしれないなぁと思って」
付き合ったらもっともっと幸せな事があるんだろうけど。
あたしにとっては、ほんの些細なことが幸せで。
もう幸せすぎるほど幸せで。
愛美さんは、こんなあたしの訳わかんない言葉にうんうんって聞いてくれた。