夏恋~ひまわりと太陽~


「あんたさぁ」


「蓮でいいよ」


「蓮くんさ……」


「蓮!!」


「蓮さぁ!!」


「合格!」


またニコッと笑う。


「何でこっちに引っ越してきたの?」


今度は少し寂しそうに笑った。

でもまた笑顔で言った。

「親にずっと頼ってばっかも駄目だなって思って。自分の力で生きなきゃなって。ガキが何格好つけてんだって感じだけどな…。結局、日向家にお世話になってるし」


ははっと笑った蓮が少し切なかった。


蝉の声が頭に響く。



「良いんじゃないの?」


「え?」



< 16 / 188 >

この作品をシェア

pagetop