夏恋~ひまわりと太陽~



タクシーに乗り込む蓮を、最後の最後まで見つめる。



これで最後かもしれないと思うと、胸がギュッと痛くなった。


心に穴が開いたようってこんな感じなんだ…。




窓が開き、大好きなあなたの笑顔が少しぼやける。



「……じゃあ、またな!!」



ずっと我慢していたものが溢れ出す。



“またな”って言葉が、こんなにも憎いものなんて、知らなかった。




「……バ…イバイ」



車が進み出す。



だんだん小さくなって行く車を、ずっとずっと見つめていた。








バイバイ、蓮……。










あたしの気持ちを隠したまま








季節は冬になるーー。









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