夏恋~ひまわりと太陽~
受話器の中から聞こえてくる蓮の声で
今、蓮がどんな顔をしてるかわかるくらい驚いていた声を出した。
これくらい言ってやらないと、あたしの気がすまないじゃない!!
「…も‥う、連絡来ないかと思ってた…」
《俺が約束破るようなヤツに見える?》
「見えないっ!!!」
半ばキレ気味で言うと、受話器の中から蓮の笑い声が聞こえてきた。
《なぁ、葵》
「何よ?」
少しの沈黙の後、あたしは涙を拭きながら、少しぶっきらぼうに答えた。
《今日は満月なんだよ。知ってた?》
何で急に、そんな事言うんだろう…?
《星もすっごい綺麗なんだよ》
「蓮?外に居るの?」
それとも家の窓から空を見ているんだろうか?
《外出てきてよ。葵も一緒に見よう》