夏恋~ひまわりと太陽~
「お久しぶりです」
へへっと携帯を耳に当てたまま言った蓮。
あたしが握りしめている携帯から「お久しぶりです」とエコーのように聞こえてくる。
「葵、電話切らないで走ってくるんだもん」
ピッと電源ボタンを押しながら言った。
「葵?おーい!!」
固まっているあたしに、蓮は不思議そうにあたしの目の前で手を振った。
「な、なんで蓮がここに居るの!?」
「わっ!!シーッ!!近所迷惑だからっ!!」
自分でも驚くほど大きな声を出してしまい、慌てて自分の口を手で覆った。
蓮は、そんなあたしの姿にニコッと笑って自分の上着のポケットに手を突っ込んだ。
「サンタからのクリスマスプレゼントでーす!!」