冷血ラブリズム~続編、5日更新~
「ねえ、哀川くんこの頃変わったよね?」
隣にいる佳代に言われて、あたしは教室の隅でいっぱい溜まっている男の子たちを見る。
あ…。弥月発見。
いつの間にか、かすかに…いろんな人に笑顔を向けるようになった弥月は、クラスは勿論学校中の噂になってた。
「かっこいい」とか、「きれい」とか…全部褒め言葉ばかり。
…彼女のあたしって、嫉妬心に燃えちゃったりしてるんだけどな。
「弥月、いつの間にあんなにカッコよくなっちゃったのかな…」
そりゃ前からかっこよかったけど、それがまた更に磨きがかかったっていうか…。
とにかく雰囲気がすっかり変わってしまったんだ。
それが名残惜しいというか、さみしいというか…。
「桜花(おうか)、大丈夫なの?お弁当傾いてるけど…」
はっとして手元を見ると、もうすでに手遅れなところがしばしば…。
お弁当に入れてあった卵焼きが、見事にスカートに着地してしまっていた。
「あー…。最悪だー、スカート洗わなきゃ」
がっくりと肩を落としたあたしに、佳代がクスリと笑いを洩らした。
「あれでしょ?哀川君のこと考えてたんだよね」
その言葉に少しだけ頬が熱くなったのは気のせいじゃない。
そりゃ…いろいろ考えるよ。
急にカッコ良くなった弥月に、ちょっと心配になっちゃうんだよ。
何があったのかなって…。
「なんであんなに変わっちゃんだろう…」
ふうとため息をついて弥月を眺めたあたし。