冷血ラブリズム~続編、5日更新~

「ねえ、哀川くんこの頃変わったよね?」



隣にいる佳代に言われて、あたしは教室の隅でいっぱい溜まっている男の子たちを見る。


あ…。弥月発見。


いつの間にか、かすかに…いろんな人に笑顔を向けるようになった弥月は、クラスは勿論学校中の噂になってた。


「かっこいい」とか、「きれい」とか…全部褒め言葉ばかり。


…彼女のあたしって、嫉妬心に燃えちゃったりしてるんだけどな。




「弥月、いつの間にあんなにカッコよくなっちゃったのかな…」




そりゃ前からかっこよかったけど、それがまた更に磨きがかかったっていうか…。



とにかく雰囲気がすっかり変わってしまったんだ。


それが名残惜しいというか、さみしいというか…。




「桜花(おうか)、大丈夫なの?お弁当傾いてるけど…」



はっとして手元を見ると、もうすでに手遅れなところがしばしば…。


お弁当に入れてあった卵焼きが、見事にスカートに着地してしまっていた。



「あー…。最悪だー、スカート洗わなきゃ」



がっくりと肩を落としたあたしに、佳代がクスリと笑いを洩らした。



「あれでしょ?哀川君のこと考えてたんだよね」



その言葉に少しだけ頬が熱くなったのは気のせいじゃない。


そりゃ…いろいろ考えるよ。


急にカッコ良くなった弥月に、ちょっと心配になっちゃうんだよ。


何があったのかなって…。



「なんであんなに変わっちゃんだろう…」


ふうとため息をついて弥月を眺めたあたし。


< 14 / 15 >

この作品をシェア

pagetop