冷血ラブリズム~続編、5日更新~
「うん。傍にいてもらえるだけで、嬉しいよ」
この言葉は嘘じゃない。
今も傍に置いてくれるって事は、あたしにまだ傍にいるだけの存在価値があるってことでしょう?
弥月がまだ興味を持っていてくれてるって、そう思えるんだ。
あたしのこんな考え方、寂しい考え方かもしれない。
でも…そう思うしかないのも事実なんだ。
「…そうか。寂しくなったらいつでも言いなよ?男って言っても哀川君だけじゃないんだからさ」
ね?っと首を傾けた佳代にちょっぴり苦笑してしまうあたし。
あたしはまだまだ、弥月から離れるなんてできないよ。
あたしが寂しくってきっと変になっちゃうんだと思う。
例え弥月があたしと同じように思ってくれなくても…。
「さ、次移動教室だよね?理科室行こう」
机の中から教科書を出して、ニッコリ笑って佳代に言ってみる。
「そうだね。行こうか!」
あたしと同じくらいニッコリと笑った佳代に、なんだか切ない気持ちになった。
ごめんね?佳代。気を使わせちゃって…。