冷血ラブリズム~続編、5日更新~
今度はきっぱり、弥月の目を見て言った。
大すきだから、寂しいなんて思っちゃダメだ。
あたしが傍にいて、弥月に「得」なんてないでしょう?
ベッドに座った弥月の目の前に立ったままのあたしは、肺に息を思い切り吸い込む。
泣くな、泣くな。泣いたらダメだ…。
「…誰が別れるかよ」
グッと握られたままの腕を引かれて、弥月の胸に頬をぶつける。
「みつ……っ!」
そのまま後頭部を引かれて、唇に熱が灯って熱くなる。
キスされてたんだって気がついた時には、もう時はとうに過ぎ去っていて、目の前に見えるのは天井と弥月の顔だけだった。
「んっ…」
触れたままの唇が離されると、無性に恥ずかしさが込み上げてきた。
まだあたしの上にいるままの弥月に、顔を見られてるなんて気が付く余裕すらないほどに。
「弥月なに…「うるさい」
ぴしゃりと一言で片づけられて、あたしは眉間に皺を寄せた。
「別れるって何?ていうか…なんで?」
珍しくあたしの目を見て、真剣に聞く弥月にドキドキする。
こんな弥月、あんまりどころか多分…「彼女」になってから初めて見た。
「弥月は…あたしの事なんてどうでもいいでしょう?だから……」
開いた口は思った以上に重くって。
「無理、別れない。それに、どうでもいい奴に好きって言われて付き合うほど俺、気多くないし」
ふいっと顔を背けて、あたしを見ようとしない弥月に無性にその顔を見たいと思った。
「弥月…。顔、みせて……?」