10年後も、キミと。
私が一人で、そんなことを思っていたら。

利絵がそっと近づいてきた。


「あれ、お嬢さん、おひとり?」

「ひとりですけど、わるい?」

「みんな楽しそうで、良かったね」

「うん、来て良かった」


「で、遠藤と細谷になんか言われたんでしょ?」

「・・・うん」

「決めるのはゆりだからね、がんばれ」

「それじゃまるで、私が二人を比べてるみたいじゃない」

「えっ、違うの?」

「う~ん、まぁ、そうなのかも」

「このあと、片づいたらゆっくり話そ」

そう言って、利絵は話の輪の中に入っていった。
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