10年後も、キミと。
「もしもし」

「あっ、俺。芳樹だけど」

「連絡遅くなってごめんね」

「いいよ、気にしないで。

でも、ちょっと悔しいかも。

それだけ、雅人と楽しく過ごしてたってことだもんな」

「ごめんなさい」

「悪い、つい本音が出ちゃって。

俺たち、フェアにやってるからさ、だいじょぶ。

で、明日なんだけどさ、少しでも長く一緒にいたいから、バイト先まで迎えに行ってもいい?」

「えっ、構わないけど、ちょっと恥ずかしいなぁ」

「出入口で待ち伏せするなんてしないよ」

「じゃあ、最寄り駅のA4出口で」


私は、バイト先のデパ地下のお店と、駅名を伝えた。


「ケーキ屋かぁ。

ゆりちゃんの制服姿を拝みに行こっかな」

「えーっ、恥ずかしいからダメ」

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