10年後も、キミと。
急いで帰り支度をして駅に向かうと、地下鉄の出口で待ってる芳樹くんが見えた。

子供の頃のおもかげはあるけど、背は伸びたし、黒の半袖シャツと細身の赤いパンツが似合ってる。

私に気づいて、笑いながら手をふる芳樹くんに、思わずみとれてしまった。


「お疲れさま」

「芳樹くんも、わざわざありがとう。

お店まで来てくれて、ビックリしたよ」

「サプライズがあった方がいいでしょ?

私服もかわいいね。

俺のためにオシャレしてくれたんだったら、めっちゃ嬉しいんだけど」


今日の服も、さんざん悩んで。

黒のドット柄の白いブラウスに、シフォン素材のベージュのスカートにした。
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