10年後も、キミと。
「いちお、そのつもりで選んできたの」

「良かった。

バイトのあとはいつも、夕飯はどうしてるの?」

「いつもは、家に帰ってから食べてるけど、今日は芳樹くんと一緒だから、いらないって言ってきた」

「そっか、この近くにおいしいラーメン屋があるんだけど、どう?」

「うん、行く!」


ラーメン屋さんに行くまでも、着いてからも、ふたりの話は途切れずに続いてた。


芳樹くんは、小学生から高校の部活までずっと、サッカーをやってて。

チームは強くなかったけど楽しくて、大学ではフットサルサークルに入ってて。

私が、芳樹くん目当てで合同サークルに入った話をしたら、芳樹くんは祐也くんから聞いてて、すごい驚いたって言ってて。


「いつでも大学に遊びに来て」

なんて言うから、


「かわいい子に囲まれてるんじゃないの?」

ってからかったら、

「なに、ヤキモチ焼いてくれてんの?マジで?」

逆に責められて。
< 163 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop